朝、6時半に目が覚め、いつもの太陽の光が緑色のカーテンから透けて入ってくる。
棚に置いてあるフェイスタオルを手に持ち洗面所へと向かう。
梅雨のなんともいえない寝汗と共に、顔にも少し汗をかいている。
そして歯を磨く。少し吐き気がするが、いつもの事だ。
きっと年齢のせいもあるだろう。
冷蔵庫からパンを出し、トースターに入れる。
コーヒーを準備し、パンが焼けたら、朝食のはじまりである。
再び、少々の吐き気と共に朝食を済ませる。
あと10分で自宅を出ないと、仕事への電車に遅れてしまう。
ここまでは良い。
毎朝の自分への問答が始まる。
「なんで行かないといけないのか?」
「どうして行かなければならないのか?」
こういった疑問が、毎日繰り返される。
いったいどれくらいの人達が思っているのだろうか。
きっと本当は別のところに行きたいのかもしれない。
しかし、それが何処なのかがわからないのだ。
もしくは、他のところに行けば幸せになれるような気がする。
それも気のせいかもしれない。
「また同じような疑問が浮かんできてしまうのではないか?」
結局、いつもの日常を終え、自宅に帰る。
「なぜここに帰ってくるのか?」
それは住所が「ここだから。」である。